離婚協定×過失致死トラブル。本来決着が着くべきテーマだが何故か勝者は存在しない。
イランの映画でアラビア語が出てきた瞬間、これは難民系(紛争系)か宗教系かなと勝手に高を括っていたが、実際は世界中のどこでもありそうなトラブルを徹底的に掘り下げた作品であった。
真人間(少なくともモラルを持った人間)の中に一人だけでもどうしようもない奴が交じるとそいつの立ち回りで全てが台無しにされる。「失う者のない奴は強い」とはよく言ったものだが、そんなのは美徳ではなく言い換えれば「奪うことしか出来ないやつ」。そんな事を言っている奴が現実世界に表れたら自分の持てる全力でそいつと距離を取る事にする。物凄い教訓になった。