おけい

狼は天使の匂いのおけいのレビュー・感想・評価

狼は天使の匂い(1972年製作の映画)
3.5
ラストが最高な映画。

ルネクレマンの演出のせいか物語の展開が緩やかでクライムサスペンスというよりも人間ドラマの要素強め。裏社会に生きる男達のカケと言うか…ゲーム感覚にも似た雰囲気が終始漂う異色作品。

訳ありでジプシーに追われるトニー(ジャンルイトランティニアン)が殺人現場を目撃したことからチャーリー(ロバートライアン)率いるギャング一味の囚われの身となってしまう。そのうちにチャーリーと奇妙な友情関係が生まれ仲間になっていくのだが、最後の大仕事である犯罪の内容が終盤に至るまでに明かされないのも面白い。

トニーに惹かれる二人の女の嫉妬と微妙な関係の描写なども印象的。ペッパー(ティサファロー)の可愛らしく可憐な魅力も良いのだが、私はシュガー(レアマッサリ)の美しさと人間くささが凄く好きでした。

そしてこの作品が遺作となったロバートライアンの存在感と魅力的な人物として描かれたチャーリーの生き様が重なる。ラストシークエンスのビー玉と友情にエモーショナルな気持ちになりました。
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