ぐみちょこ

キャスト・アウェイのぐみちょこのレビュー・感想・評価

キャスト・アウェイ(2000年製作の映画)
4.0
最初はふっくらたるんたお腹だったり、ヒゲもじゃで野生的だったり、激ヤセしてみたり、なトム・ハンクスが見られる1粒で3度美味しいような漂流記作品。

こういう漂流してサバイバルする話はそれだけでワクワクできるくらい好き。それだけに留まらず、ドラマ部分もしっかり描いているのが特徴的。
最初はいたって普通な、少し情に深くて真面目で仕事に追われる男の姿が描かれます。なんでもない日常から突然の転落、落ちてみて初めてなんでもない日常が幸せだったり気付かされるわけですが、なんてったって1人なんです彼は。無人島に。辛すぎる。

作中の殆どがトム・ハンクスの一人芝居演技です。島だけ映すことにスポットが当てられ、例えば彼の恋人が何をしているか等は漂流中描かれません。
セリフも少なく、島で流れる時間のようにゆっくりと進む感覚で実際の上映時間よりも体感長く感じました。

時折一種のドキュメンタリーを観ているような気分にもなってきて、それは他の誰もいない環境で会話もなく野生的に生き伸びようとする姿が人間としてではなく動物として見えてしまったからかもしれません。

そして忘れてはいけないのがそんな彼を救うことになった友達・ウィルソンの存在。人間性を繋ぎ止めるための、苦肉の索にも見えますが観客にとっても心の救いとなる存在でありました。「何やってんだコイツ」からどんどんあのボールに魂が宿ってるように思えてきてしまって、チャックとウィルソンの間にもドラマが生まれていくんですよね。
情が深いチャックだからこそ別れのシーンで初めて泣き崩れる姿に胸打たれました...。

トム・ハンクスの人間味溢れる演技は痛々しかったり、思わず息をのんだり、これだけで見応えありました。
役作りのために22キロ減量したんですって!