ミーハー女子大生

キャスト・アウェイのミーハー女子大生のレビュー・感想・評価

キャスト・アウェイ(2000年製作の映画)
3.7
この映画でもっとも強烈に感じたことは、孤独の恐ろしさです。

私は基本的に一人でいることは嫌いではありませんが、それは「孤独」とはわけが違う。
たとえ今は一人でいても、いざとなれば友達と連絡は取れるし、困ったときに頼ることができる家族もいる。
なにより話しかけようと思えば周りにいる誰にでも話すことができる所にいる。

この映画でチャックが味わっているのが、まさに「孤独」です。
無人島には自分以外誰もいないので、誰も助けてくれないし、もちろん話すこともできない。
実はこれが一番怖かったりする。

食べるもの、飲むものが無いという怖さ、このままこの無人島から助からないのではという怖さ、いろいろあったと思うが、 チャックの無人島での生活で一番感じたのが孤独の怖さだった。

トム・ハンクスは口数は少なく、表情と歩き方だけでその孤独感を出しており、 大げさでない音楽と、美しい無人島の朝昼晩の風景が余計に孤独感を助長していた。

そんな孤独さを助けたのが「ウィルソン」ことバレーボール。
彼女の写真ではないところがミソ。

明らかに彼(?)を得てから、チャックに生気が蘇った。
大海原に消えていくウィルソンを残り少ない体力で必死に追うチャックには、2度と孤独になりたくないという思いが込められているように見えた。

彼はアメリカに帰ってくることができたが、大切な彼女を失った。
でも彼はもう孤独ではなくなった。
だからショックだっただろうが、落ち込んでばかりはいない。

最後の交差点は、彼がこの後どちらへ進もうが、新たなストーリーが待っていることを表しているようであり、 途中話しかけた女性はそのストーリーが孤独ではないことを表しているようにも思えた。

妙に人生について考えさせられましたが、いい映画でした。

ストーリー 4
演出 5
音楽 3
印象 3
独創性 4
関心度 3
総合 3.7