ムーミーコロコロ

キャスト・アウェイのムーミーコロコロのレビュー・感想・評価

キャスト・アウェイ(2000年製作の映画)
4.0
1つの作品の中に、色々なメッセージが入ってる気がした。
まず時間。FedExのときは、時間との勝負。時間がない!早く早くと自分にムチを打つ。でも、孤島暮らしは、時間がありすぎて…。いいえ、時間そのものがないと言ったほうがいいかも。

次に、物。社会はものが溢れかえっている。ちょっと手を伸ばせば欲しい物にありつける。しかも、生きていくのに役に立たないものもいっぱい。孤島ぐらしでは、すべて自分でイチから作らないといけない。火というものがどんなに大切な物か、なくなってみて初めて知る。食べるものにしても、生きていくためには自分でとるしかない。
チャックが帰ってきてからのパーティーのあと、大量に残された料理を見てため息をついたり、ボタン一つで火がついてしまうのを黙って見ていたり。私達にとってはそれが当たり前になっているけれど孤島ぐらしを経験したからこそ気付くことがあるんだろう。

そして、大切な人。指輪(?)を渡して、「すぐ帰る」といったまま行方不明になってしまった。残されたケリーのことを思うと、いたたまれない。信じて待つには時間が長すぎる。信じたいけど、周りの人々はきっと「早く忘れろ」と言うだろう。そして、なんとか折り合いをつけたのが、違う人との結婚。なのに、どうして今ごろ戻ってきたんだ!あの時あの便に乗らなければ、すべてうまく行っていたのに…。運命のイタズラ………

後悔しなくていいように生きる。よく言われる言葉だけど、こういう運命的な事故に見舞われたとき、後悔しないように…なんてこと、言ってられない気がする。じぶんではどうしようもない運命。あの時あの便に乗ってなければよかったって後悔しても、これは人間にはどうしようもないことで…。この運命を受け入れて、自分が進んできた道と全く別の人生を選択しないと行けないのかな。自分では答えが出せないようなことをいくつも目の前に提示されたように思う。