KJ

キャスト・アウェイのKJのレビュー・感想・評価

キャスト・アウェイ(2000年製作の映画)
4.0
映画館にて観賞
舞台での一人芝居を観ているかのような
トム・ハンクスがこの役を受けた時の覚悟は想像もつかない

映画一本ほとんど自分の演技だけで構成されていることもさることながら、前半パートを撮ったあとに四年後のシーンを撮る一年間で22キロだか25キロ減量したらしい

最後の希望だとか運送屋としての最後のプライドを象徴していたのは、フォレスト・ガンプで最後に舞っていた白い羽根だ
あの箱を開けなかったことが大事だった

ウィルソンは立派に一役こなしていた
助演なんとか賞を貰ってもおかしくないほどに
ただそこにいるだけで成り立つなんて、役者ここに極まれり

とにかく無人島にナイフは要る
あとは火がほしい

いい年ぶっこいて、ハッピーエンドじゃない映画がイヤだと言う人がいるが、子供の言うことだ
この映画の場合、四年もサバイバルして結果命が助かったのだから、ハッピーエンドじゃないこともないが
大団円ばかり観たいのなら、水戸黄門かヒーロー戦隊ものでも観てればいい
まぁ実際そういう人間はそんなのばっかり観てるし、人格的に成長も見られない
あとなんか、トラブルに異常に弱い
ほんとみっともない

映画というのは、ではない。人生というのは、信じていれば夢が叶うとか、努力を諦めなければ全て上手くいくとか、そんな甘ったるいものばかりではない
これは人の器の話だ
映画の話ばかりではなくて、物語に触れていないということがいかにその人の器量を狭めるかという話
物語を知らないやつの話はつまらないし、肝心なところで頼れないし、任せられない
仕事しててもあとで聞いたら、あーなるほど、だから薄っぺらいのかと納得することが多々ある
綺麗なものばかり見て生きていられない
汚いものを見て触れていかないと、見れない景色も湧かない感情も思い付かない閃きもあるのだ
人一人の体験や人生を二時間で疑似体験させてくれるんだから、本当に映画っていいんだわ
KJ

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