菩薩

キャスト・アウェイの菩薩のレビュー・感想・評価

キャスト・アウェイ(2000年製作の映画)
3.6
劇場公開時以来の久々の再会。その時誰とどこでこの映画を観たかなんて覚えてもいないが、時期としてはその時付き合っていたカエル顔の可愛かった兄ちゃんがフェアレディZ乗ってたあの子と観た可能性が高い。あれから約20年、もはや人生そのものがキャスト・アウェイ状態の俺の傍らには、今日もウィルソンすらいない。

って書きたいが為に観たようなもんだが当たり前のようにギャン泣きした。主演ウィルソンのあの嬉々たる表情からの、波にさらわれていく助演トム・ハンクスを見送る際の悲しげな表情への移り変わり。岩に叩きつけられても、雨風に晒されても、自らの意図とは反し本気出した時の仙道みたいなツンツンヘアーにさせられても「まだ慌てるような時間じゃない」と助演トム・ハンクスをなだめ続けた彼の勇姿、強靭かつ自己犠牲に溢れたその精神性さはもはや憧れの象徴でもある。つかウィルソンて、ウィルソン製だからウィルソンって、あんなに創意工夫に溢れてるくせに渾名の付け方適当かよ、バボちゃんとかあんだろなんて同時は思ったものだが、やっぱりウィルソンはウィルソンだし、トム・ハンクスの役名が「チャック」だからチャック・ウィルソンだ、って言ったところで伝わる人はそう多くないのだろう。そりゃあんなに都合良く助かるわきゃないし、歯抜いてからいきなり飛ぶ「4年後」の変わり果てたスタイルと登場時のポージングに爆笑もするけど、帰りの飛行機の窓際にさりげなく置かれる明らか向精神薬のボトルとか何気にゾッとするし、俺ならお試しもせずに高台から紐無しバンジーしてる。助かってから長くね?とも思うが、まぁいんでない、いいシーンでしょ、ウィルソン届けろやとは思うけど。トム・ハンクスのぼっち3部作の一角、これと『ターミナル』と、あと1本は…なんかしらあるだろ、知らんけど。
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