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キャスト・アウェイのpicaruのレビュー・感想・評価

キャスト・アウェイ(2000年製作の映画)
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『キャスト・アウェイ』

ロバート・ゼメキス監督&トム・ハンクス主演。
『フォレスト・ガンプ』のタッグだね。

主人公は運送会社のシステムエンジニア・チャック。
たまたま乗り合わせた自社の貨物機が太平洋に墜落し、彼一人が無人島に辿り着き、生き延びることになる。

トム・ハンクスの役作りがすごい。
チャックは無人島で4年間過ごすのだが、それだけ長い年月には見た目の変化が伴う。
「あれ? 本当にトム・ハンクス?」と疑ってしまうほど凝られた体格と表情の変化。
無人島のシーンは主人公ひとりなので、ずっとトム・ハンクスだけを観ていることになる。
でも、観客の視線を釘付けにするだけの魅力が彼にはあった。

無人島映画にありがちな、「これぞサバイバル術! 故郷へ帰るために脱出せよ!」というハッピーエンドなストーリーかと思いきや、ようやく生還したあとも主人公には苦難が待ち受ける。
あれほど待ち望んだ希望にあふれているはずの現実で、チャックは葛藤する。
無人島での日々のほうが活き活きしていたのでは、と思ってしまうくらい。
こういう意外な、でも、だからこそ人間に寄り添うリアルな形で描き出す点はすごく気に入った。

チャックは迷う。
これからどんな道を進めばいい?
なにを希望にして生きたらいい?

2000年。『キャスト・アウェイ』での飛行機墜落事故がなければ、こんなことにはならなかった。

トム・ハンクスは決心した。
パイロットになる、と。

2016年。『ハドソン川の奇跡』で彼は機長になった。
二度と人々を飛行機事故に巻き込むものか。
たとえ不時着することになっても、一人でも犠牲者を出すものか。

……などと考えてしまう映画ファンであった(笑)
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