如水

一命の如水のレビュー・感想・評価

一命(2011年製作の映画)
3.0
仲代達也主演「切腹」あれは紛れもない名作だった。が、これも悪くはない。しかし最後の竹光で闘うあれ、あれは無いわ。
真剣でない敵に一斉に飛び掛らない井伊家の侍と、仇を打つ死戦に竹光で臨み相手を殺さない親父のヌルさ。全く武士としての気概と迫力に欠ける。
「切腹」では、恐怖と後悔を相手に刻みつける事で終幕となるが、これでは俺はこんなに辛かったんだぞ!とわかってほしかっただけになってしまっている。 武士を現代風に正義の士として表現する不味いパターン。
それまでの娘夫婦のクドいまでの不幸描写で多少なりとも感情移入してた気持ちを肩透かしを食らった気分にされた。
髷を飛ばされた三人の切腹は完全に蛇足。
如水

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