きざし

一命のきざしのレビュー・感想・評価

一命(2011年製作の映画)
3.6
三池監督の作品は、「十三人の刺客」、「ヤッターマン」
と鑑賞して、独特のユーモアが好印象だったので、
今回の「一命」もとっても楽しみにしていました。


この作品の大きなテーマである「切腹」ですが、
ウワサにたがわぬリアルさ!!

瑛太・・!! すごいよ、アンタ!!

この作品、一番の見せ場であります。

思わず、目を背けたくなる程の痛々しさは、
「127時間」を彷彿とさせます・・

話の内容は、予告を観た限りでは、

サスペンスな所もありかと思われましたが、

実は意外とシンプルな設定。

まあ、時代劇ってそういうもんですかな。

彼がなぜ、切腹に至ったかのあらすじが、
この作品の半分を占めています。

幸せな家庭を築いた、瑛太演じる求女と、その妻、美穂を満島ひかりが。

そして、彼女の実父をウワサの海老蔵が演じています。


それにしても、年齢的には殆ど同世代の海老蔵が、
父親って無理がないのか??と思ったけど。

かれの持つ貫禄で押し切っていましたね・・


後半は、彼の見せ場デス。

確かに、今の日本の俳優における中堅層で、
彼のような迫力を出せる役者がいるか? と考えたら

まあ、確かに見当たりませんねえ・・・


「ラストサムライ」の謙さんを彷彿とさせる、眼力!!!

彼は、こういう役が良く似合います。

はっきりいって、いつもより
あの姿の方が、違和感ないくらい・・

そして、見せ場の立ち回りも、
さすが!としか言いようがない
迫力と安定感で、
観るものをくぎ付けにします。


ラストの描き方が
個人的にはスッキリとはいかなかったのが心残りですが、

三池監督の力量を、あらためて実感した力作でした!!
きざし

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