ちろる

トライアングルのちろるのレビュー・感想・評価

トライアングル(2009年製作の映画)
3.8
怯えるシングルマザーとその息子の映像から、男女グループがヨットセーリングを始める場面に。
それは、世にも恐ろしいサバイバルゲームの始まり・・・
リープものは数あれど、こんな恐ろしきリープは絶対に絶対に体験したくないと思ったサスペンスホラー。
このヨットの乗り場に来たシングルマザーのジェスはどこか不安げ、彼女の不安定な理由はラストまで明かされることはなく、このなんとも言えない不穏さからもうすでに私たちはメビウスの輪に囚われているのだ。
予報を外して突然の大嵐から、霧の中から現れる豪華客船と、遭難したボートの間はまるで時空を歪ませているような空気がある。
ジェスがまだ女として生きたいと願うエゴイズムと、自閉症で思うようにコミュニケーションが取れない疎ましく思ってしまう後ろめたさがこの不条理な死神ループを作り出しているとしたのなら・・・ジェスはどんな気持ちを持ち、どんな行動をすればよかったのか?
皆、やり直したい後悔なんて当たり前のようにあるから、この死神ループをジェス自ら起こしているようにも見えるから、またそれがゾッとするのかもしれない。
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