みおこし

ホワイトハンター ブラックハートのみおこしのレビュー・感想・評価

3.4
名作『アフリカの女王』の撮影ロケで、ジョン・ヒューストン監督が現地での象狩りに固執してなかなか撮影が進まなかったり、度重なるトラブルに見舞われた事実を元に、イーストウッドが映像化した一本。キャサリン・ヘップバーンやハンフリー・ボガートをモデルにしていると明らかに分かるけれど、役名は仮名になっています。

一見イーストウッド作品の中ではかなり地味な印象の一本でしたが、ラスト30分の畳み掛けは息を呑みました!
名匠と謳われるジョン・ヒューストンですが、作風に負けないワイルドさを持った監督だったんだなぁと(笑)。表情に象狩りに賭ける男としての本能?野心?がギラギラにじみ出ていて、絶対こんな監督と仕事したくないなというのが本音...。
キャストもスタッフも相当振り回されされたんだろうなと言うのが容易く想像できます。やりたい放題やった後、彼が悟ったこととは...。

象狩りという残虐な行為への執着を見せたかと思いきや、人種差別をするウェイターに怒りをあらわにして突っかかったり、イマイチこの人の情熱の方向性がつかみ切れず...。でも、撮影中だろうが何だろうが、象と聞くと速攻でジープを走らせていく辺りが、もはやどこか愛らしさを感じざるを得ませんでした(笑)。

前半部分少し眠くなりましたが、クラシック映画ファンなら必見。
これだけのトラブルを巻き起こしながらも、本作で撮影している『アフリカの女王』はボギーに初オスカーをもたらし、評価も高くされた作品。何だか皮肉なものですね...!本作とのセット鑑賞をオススメします。
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