『レッドタートル ある島の物語』のマイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット監督作品。
2001年 アカデミー賞短編アニメ賞受賞作品。
居なくなってしまった父を待ちつづける
ひとりの女性のお話。
ある日、父はボートを漕いで
娘の目の前から消えてしまった。
並木道から見えるあの場所に、
今日も父はいない。
友人と来た日も
結婚して夫や子供と来た日も
年老いても忘れられず来た日も。
以下、ネタバレになります。
ネタバレして魅力が減る映画ではナイとは思いますが、一応。
もう草原となってしまった岸辺で
あのボートを見つける。
誰かに呼ばれた気がして、
声のする方へと歩いていくおばあさんの姿は
徐々に若くなっていく。
その先には、あの時と同じ姿の父がいた。
この時、女性は若返ったといっても少女ではないのが不思議。
フツーに考えたら父と別れたあの日に戻りそうなもんだけど、も少し大きい。
勝手な解釈だけど、
あの頃より成長した自分を見て欲しかったのかなって。
それは“あの頃の何も分からずに父を見送った自分ではないんだよ”という意味も含めて。
どこまでも優しい女性が、最後に少しだけ報われたお話なのかな、と思いました。