そこそこ楽しめる半魚人SF。若き日の千葉真一が、立ち回りこそ少ないけれど西欧人たちの中で活躍する。恋人のヒロインが、なぜか「アベー」と名字で呼びかけるところがご愛敬。愛嬌と言えば、成田亨デザインの半魚人が寄り目で愛嬌あり。演出は意外とシャープで、アクションつなぎがばっちりと決まる。1966年時点では、まだまだスタジオシステムが機能していたのだろう。IMDbによると、ヒロインのベギー・ニールを含め、出演している西欧人たちは当時日本在住の人たちで、この時期の日本映画にしか出演していない。3年後の『緯度0大作戦』は、ジョセフ・コットン、リチャード・ジェッケル、シーザー・ロメロなどを出演させた、立派な東宝SF大作だった。