愛とはなにか。夫婦とはなにか。
鑑賞している間ずっとこのふたつの問いが頭の中を巡っていた。
ディーンはいい父親であり、男らしく、ユーモアも才能もある。
しかし、その不器用さ故にいい夫にはなれない。
シンディは夫婦という形、親子という形に収まってはいながらも、しかし愛情というものを理解できてはいない。
そんな1組の夫婦が、ゆっくりと離婚まで歩んでいく姿を撮した作品。
離婚に近づく現実の中に、2人が出会った頃のシーンを挟むことにより切なさが何倍にも感じられた。
おそらくどちらが一方的に悪い、というわけではない。
いや正しくは、その程度の言葉や視点で語りきれるものではない。
愛とはなんなのか。
夫婦とはなんなのか。
なにが正解なのか。どうするのが正解なのか。
その答えがないからこそに難しく、そして面白いと思える。