ゲイリーゲイリー

ブルーバレンタインのゲイリーゲイリーのレビュー・感想・評価

ブルーバレンタイン(2010年製作の映画)
3.0
「いつか消える感情なんて信じられる?」
このセリフが本作のテーマになっていると思った。

本作は、愛と言えども不変のものは無いという事実を正面から描いていた。
また、愛の始まりと終わりを交互に描写する構成が、本作のメッセージ性を助長していた様に思う。

ディーンに対して抱く感情と、シンディに抱く感情は人それぞれだと思う。
どちらか一方が悪いために、あの様な結果に陥ったと割り切れないのが本作の見どころの一つだ。
(とは言いつつも、ディーンの素行には辟易せざるをえないシーンがあった。)

互いの根幹に「愛」があったが故に、本作は見る人の胸を打つのであろう。
ラブストーリーと言われると、もっとハッピーで前向きになる様な作品を彷彿すると思う。
しかし、本作の様な鑑賞後にハッピーな気分にならない「愛」を描いた作品もラブストーリーなのだ。
変わっていく「愛」をテーマにしたラブストーリーは非常に稀なので、王道ラブストーリーが好きな方にこそ是非見て欲しい。