貧困にあえぐイタリア市民たち。
自転車がないと仕事を首になる主人公。お父さんとして、探さないわけにはいかない。息子と一緒に街中を駆け巡る。
警察、市場、集会場、レストラン、アパートなど。どこへ行っても軽くあしらわる。
「知らないよ」「俺には関係ない」「書類は受理した」「忙しいんだ」
敗戦国ゆえの貧しさか、皆が必死。他人に構う余裕がない感じ。これがセリフや街並みや衣服からもひしひし感じる。
やけになった父親が入ったレストラン。食事を食べて元気を出そうと踏ん張る。このときのレストランの楽団員の顔がよい。陽気だけどどこか疲れ切ったようなあの顔、まるで父親の心象そのもの。
息子のまっすぐな瞳と彼の目に映る父親の姿。事件のあと、お互いに辛い思いしたのは間違いない。
市民として戦争を体験した人々の読むと、貧困のつらさについて語る記述が多く、子供ながらに貧乏って辛いだなと思わされた。
そんな戦争体験者が語る貧乏の恐ろしさ、その一端を体験できる作品。