けいすけ

自転車泥棒のけいすけのネタバレレビュー・内容・結末

自転車泥棒(1948年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

イタリア、ネオレアリズモ映画の代表作。タイトルと親子が並んで座り込んだパッケージからも察せられるように、とても切ないです。でも、労働者階級の叫びを描くなら、ハッピーエンドは違う気がしてしまいます。今話題の「万引き家族」に合わせて、こういった国の状況を描いた作品で、当国内から非難があがるのは確かにおかしな話です。

主人公が自転車を手に入れてから、妻が聖女様の話を聞いた後、階段降るところを2ショットでズームアウト。見ている人の不安を煽るような計算された見事なカットです。犯人を帽子だけで特定って、ちょっと無理があるような気がします。

主人公の自転車が盗まれたのがフロリダ通りという地名なんですが、ここを調べるとアルゼンチンにあるそうです。が、絶対設定はアルゼンチンじゃないですよね。いわゆる架空の名前ですね。ここの地名を現実的な貧困地域にすればよかったなーと勝手に思いました。つまりは、ラストで主人公が自転車を盗んで、残念ながら捕まってしまうんですが、ここでフロリダ通りとラストの主人公が捕まった通りで貧富の差と人通りを鑑みて、貧困地域での窃盗のしやすさをメタファーで見せれたと思うんです。フロリダ通り(実在の地名で)は、人通りの少ない貧困地域だから窃盗をしても捕まらないけど、主人公が盗んだ地域は、都市部だから窃盗をしても捕まりやすいんだよ、といった感じに。本編みたいなご都合主義とかタイミングの問題とか抜きで。だから、あえて都市部と郊外くらいの差を地名で出しても良かったのではないかと。