ナツミオ

自転車泥棒のナツミオのレビュー・感想・評価

自転車泥棒(1948年製作の映画)
3.8
DVD鑑賞
究極の名作映画 大全集No.6

イタリア・ネオレアリズモの名作

1948年イタリア・白黒作品
監督 ヴィットリオ・デ・シーカ
主演 ランベルト・マジョリーニ エンツォ・スタヨーラ リアネーラ・カレル

第二次世界大戦直後のイタリア・失業者が溢れるローマ
失業中の父親アントニオ・リッチ(マジョリーニ)がやっとの事で市役所の仕事に有り付くが、その仕事は自転車が必要だったが、質屋に入っていた。
妻マリア(カレル)の機転で家中のシーツを質屋に入れ、自転車を取り戻す。
翌日から仕事は自転車を使ったポスター貼り。
最初のポスター貼りに悪戦苦闘している最中に、自転車泥棒にあってしまう!
翌日からアントニオと息子ブルーノ(スタヨーラ)は、自転車を探して市内を走り廻るのだった・・・

ローマ市内は自動車が少なく、路面電車が走り、自転車が走り回る。
市内の市場の描写は自転車をパーツ毎にバラバラにして売っている場面や貧民街で親子達が住民に取り囲まれたり、貧困者救済で教会が炊出しを行なったりと混乱した世相も描写されている。

父親と息子の絆を中心に、敗戦国イタリアの混乱した時勢を浮かび上がらせる。

出演者は全て素人。主演の父アントニオ役のマジョリーニは2年間失業中の電気技師、息子ブルーノ役は街中で見つけた子供を採用。
ローマ市内でオールロケ。

2人は素人ながら親子の演技が素晴らしく、終盤の2人の絆に泣かされる。
見終わった後の物悲しさに胸が締め付けられる名作。
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