MURANO

こうのとり、たちずさんでのMURANOのレビュー・感想・評価

こうのとり、たちずさんで(1991年製作の映画)
4.1
「いくつ<国境>を超えたら、<家>にたどり着くのだろう…。」とマストロヤンニ演じる<男>は語るが、これがそのまま映画の要約。

それは、テオ・アンゲロプロスの全作品通じての主題でもありますね。

国境という壁だけでなく、人間関係にも境界線というものもあります。

言わんとすることは、僕らはみんな、ある意味では難民であるということかもしれない。人間は誰しも、人生に彷徨っている存在なのかもしれない。

そして、『シテール島への船出』と並んで、この映画もラストシーンが象徴的で、またまた美しいこと!

人々がどこに行き着けば良いのかと、まさに”たちずさんでいるこうのとり”たちが描かれています。

アンゲロプロスはいつも曇り空が美しい。
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