国境を超え、「誰でもなくなること」を選んだ男に、ギリシャを越られず、いずれアテネに帰っていくジャーナリストが迫っていく話。
どこの国の誰かであることにより、ほんの一線も越えられなくなる現代の人間の悲…
「たちずさんで」がどんな意味か調べた。「立ち竦む」と「荒む」を合わせた造語らしい。
結婚式はもちろん、女と出会うシーンの長回し良すぎる。照明とかも含めて。
テオアンゲロプロスは3本目だけど、どの映画…
このレビューはネタバレを含みます
BGMと色を極力排したなかで、人々が疲弊し
情緒が不安定な様子がとても伝わってきた。
死体の周りをヘリが旋回するシーンや首吊り
死体の周囲を女性たちが囲っているシーンも
異質で印象に残るが、特に印…
戸籍のない配電工たちが無言で空に並ぶ、国境の村。人々の輪郭は揺らぎ、容易くかき消されそうに薄い。
河向かいの結婚式、空のラストシーンがとても印象的で、監督の表現力に感嘆させられる。
コメンタリーによ…
『シテール島への船出』と『ユリシーズの瞳』の間に制作された「国境三部作」の2作目。
番組作りのために国境近くの村にやって来たテレビレポーターを通して、難民や国境の問題を描くドラマ。
河と湖を境に…
アンゲロプロスにすっかり
はまってしまった....
相変わらずものすごい映画だった。
冒頭の海にうかぶ難民の死体。
国境に接する地域。
他国からの難民が入国許可待ちで
待合室と呼ばれる街。
これは…
心の内面での「追放」
心が行き場を失っているという感覚。
自分を取り巻く環境が異様にしか思えず、自分自身も異邦人に感じる。
物理的な国境があり、心の国境がある。
人は誰も「家」に帰る途上である。…
このレビューはネタバレを含みます
アンゲロプロス監督が“国境”というテーマに正面から取り組んだ作品。
ひとりのTVディレクターが取材の途中で失踪中の大物政治家を見かけるが、政治家夫人も彼も本人であると認めようとはしない。彼はなぜ…