超空間コベ

忍邪の超空間コベのレビュー・感想・評価

忍邪(2010年製作の映画)
4.0
【追記】2021年8月14日、永眠。
俺達のジェリーよ、永遠に…!
・・・・・・・・・・・・・・

―――ジェリー藤尾!!

俺達のジェリーが、帰って来た!
俺達のジェリーは、いまだ健在ッ!!

我々が成すべき事は、唯ひとつ。
その怪演に酔い痴れ、身悶え、善がり狂い、
エクスタシーの頂点へと一気に駆け上る事のみである…!

事ある毎に“遠くへ行きたい”と謳い上げていたジェリー。
俺達を置いて、一体どこへ行ってしまおうというんだ?ジェリー…!

しかし、ジェリーは帰って来た。
彼を愛する、俺達の元へと帰って来てくれた。
熱き魂の鼓動と共に、再びその雄姿を、俺達の前に披露してくれたのだ…!

上忍・ジェリー。
彼はただ、座するのみ。ただ、命ずるのみ。
その圧倒的な存在感の前においては、全ての理屈や正義、問答の類いは、一切の意味を成さなくなる。

オーブルーや虎牙の任務も、
三元や島津の襲撃も、
その全てが、ジェリーの手の内で踊らされる狂言であり、
血を吐きながら続ける哀しいマラソンに過ぎないのだ。☆

任務に発つ前、オーブルーはジェリーに、
“自分が帰らない時は、残された妻の再婚を認めてほしい”
と嘆願する。
下忍ごときが上忍に嘆願など、普通なら許されない事だが、ジェリーはこれを承諾する。
“ある条件”と引き換えに…。☆

「聞いておらぬのか?くっくっくっ…そちの夫も、意外と意地が悪いのう」
「他の男と子を持つ事をお許し頂けるとか…。しかし私は…」
「―――案ずるには及ばぬ」
「…はっ?」
「上忍である、このジェリーが直々に、そちの観音菩薩に子種を奉じてしんぜよう…!」
「!じ、上忍さま?それは…それだけはお赦し下さい!」
「ならぬ。…よいか、これはそちの夫と交わした“誓約”であると心得よ」
「!?うちの人が、まさか…!」

―――ブヮサァッ!

「!?―――ひイッ!!」
「くっくっくっ…老体と思うて甘く見ておったか?
これぞ伊賀忍法、秘伝中の秘伝、『超絶倫陣・辺羅膨満』!
―――見よ!我が肉体の筋骨隆々たるを…!
―――見よッ!我が屹立せし怒張の剛健たるをッ…!」
「あぁ…い、いやっ!」
「誉れと思うが良い。御仏の慈悲をその一心に受けるのじゃ。
そちは生涯…いや、子々孫々末代に至るまで、国中全ての伊賀衆より崇め称えられるであろう」
「お願いでございます。どうか、どうかそれだけはお赦しを…!」
「ほれ、抗うでない。抗うでないぞ…!」
「お、おやめくださいっ!!」

「…どうした?そちの夫は、もっと素直であったぞ…?」
「―――えっ?」
「杓子定規と申すか、掟や命令には逆らえぬ実直なヤツゆえな。
このジェリーが直々に“男”を教えて遣わしたわ。ふっふふふ…!」
「?そ、そんな、うちの人が、私以外の…!」
「“女”で無ければ良い、と思う辺りもまた杓子定規よのぉ?ふはは」
「(あ、あんた…嘘よね?嘘よ…!)」
「さあ、そちも伊賀の掟に従うがよい。そして宿命(さだめ)を受け入れるのじゃ…!」
「あぁ…ジェリー様……んんッ!」
「掟じゃ…うひひひ、宿命(さだめ)じゃぁ…!フッハッハッハッハッ……
―――フャアーーーッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッ!!!♪」


…ジェリーは、いつも俺達のそばに居る。
いや、俺達自身が、明日のジェリーなのだ…!

同じ世界に息づき、繋がっている悦びを享受し、その快楽に身を震わせ、
その全てを受け入れ、ジェリーの“形”、ジェリーの“器”となれば良いのだ…!

そして最後に。これだけは、これだけは、しかと申しておかねばならぬ事。
断じて…断じて…

―――清水アキラが、ものまねしているのでは無いのだぞッッ!!!☆
(笑)
超空間コベ

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