たかが世界の終わり

アメリカの影のたかが世界の終わりのレビュー・感想・評価

アメリカの影(1959年製作の映画)
3.2
「…自分をよく知る人は傷つかないのよ」

デビット、トニー、レリアの
三人の軽妙な掛け合いが面白い

妹を守る兄貴・ヒューが
ただ単に優しい。頼もしい。
妹を愛する兄ほど、愛おしく尊い存在があるかね(笑)

”Please don’t touch me, I wanna go home.”

また、自身に言い寄る男に向かって
堂々とこのような台詞をぶつける、
妹・レリアの生き様が凄まじく格好良くて
惚れかけました
(自立を強く望む女性にこそ
惹かれてしまうという馬鹿性癖)

話す言葉にしろ、態度にしろ、
潔くて見習いたい部分が多い

しかし、魔がさしたのか、
相手の圧とその場の雰囲気、はたまた微かな憧れからか

初めての夜をしがない男に捧げてしまうのは
誰にでもある弱さが描かれているよう

なんというか、
地味にひっそりと
胸に迫りくるような現実味があり…
おそらく多くの若者の共感を呼ぶシーンであろう


作品は終始即興的演出によるもの、
と注意書きがありました
あの、不安定な空気感
(男たちの不思議なニヤニヤが多い)
はそういうことだったのね