ジャズ音楽がカッコイイ！
モノクロ映像がカッコイイ！
ジョン・カサヴェテスの監督デビュー作にしてインディペンデント映画の金字塔作品を鑑賞。
マンハッタンに暮らす、黒人の血を引いた三人の兄妹が、白人社会の中でそれぞれに肌の色からくる疎外を体験していく様を描いていく。
長男のヒューは売れない歌手。プライドを傷つけられながらも、弟妹の生活のためにと屈辱に耐えて働く。弟のベン、妹レリアは兄よりも肌の色が薄く、見た目には白人に見える。ベンはフラフラ遊び歩く毎日、一方のレリアはパーティーで知り合った白人男性と恋人関係になるのだが…。
無名の俳優たちが等身大で演じるリアルな人物造形、生々しい感情や息遣いをストレートに掬いとる演出、街の空気をみずみずしく捉えたロケ撮影など、これが映画監督初挑戦とは、とてもじゃないけど思えない。
シナリオなしのアドリブ演出で、まるでドキュメンタリーをも思わせるリアリティと臨場感が素晴らしい。
そして、大のジャズ好きだったカサヴェテスが依頼したと言う、ジャズミュージシャンのチャールズ・ミンガスの即興演奏がスタイリッシュで魅力的極まりない。
監督の人となりは知らないけれど…
作品から漂う男気、知的でクールなイメージがデビュー作からビシビシ感じられ、センスが溢れかえる作品だった。
