atsuki

アメリカの影のatsukiのレビュー・感想・評価

アメリカの影(1959年製作の映画)
4.0
カサヴェテスの処女作だけど、ベンが影に飲まれて、夜に消えてく姿を見ていると、物語構成的にカサヴェテスっぽくないのかなと思った。つまり、回帰じゃなくて、逃避してる。女を引っ掛け続けることなく、恋人をつくるべきだとうんざりするあたり。それは時代のニューシネマ運動に影響されているというか、実践しているからだと思うし、だから結末は最もドラマチックにさえ感じる。因みに、ゴダールの『勝手にしやがれ』と同年か。それでもヒューとループが仕事に戻るところは、これからのカサヴェテスと何ら変わりない。あとここで用い始めた即興演出が、後の感情的真実へと発展していくのか。
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