Ricola

アメリカの影のRicolaのレビュー・感想・評価

アメリカの影(1959年製作の映画)
3.7
白人社会で差別を感じながら生きる、黒人の血を引く三兄妹の行動に沿って話は進む。

舞台はマンハッタン。
キラキラと眩しいくらいの街が、白黒の映像のおかげでこの映画の雰囲気にちょうど良い。

全体的にヌーヴェルヴァーグのような演出の多い映画で、若者特有の倦怠感がよく表れている。

実際に台本がなかったそうで、即興的演出で補っていたそう。そして主人公の3人は全くの素人だったという。
だからこそこういった日常的な雰囲気が終始あったのかもしれない。

バカにして鼻で笑ったり、気まずさや目線の交わりは俳優の人間としての本心から出ているものなのだろう。

そういった、普段は「影」に埋もれがちな感情や問題に焦点を当てた映画だった。
だけど取り繕うことはなく、そのままのリアルな現場を見せようとする挑戦的な映画だった。

Ricola

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