Canape

テスのCanapeのレビュー・感想・評価

テス(1979年製作の映画)
3.5
美しきテスが歩んだ波乱の物語。ロマン・ポランスキー。キューブリックのバリー・リンドンが頭をよぎる。テスのがちょっとあと。ナスターシャ・キンスキーの美しさはもちろん、可憐な白いドレス、柔らかな水色のメイド服、レースの日傘など装飾品や情景も抜かりなく美しい。相反して取り囲む男達は、甘い言葉とは裏腹にお飾りのようにテスを扱ったり、手のひら返ししたりと美しき心や深い愛とは程遠い。テスの心の強さや生き方を揺さぶる名ばかりのエンジェルが憎い。全然エンジェルじゃない!!デビルだ!!この男はデビルだよ!!あのお姫様抱っこのときめきを返してくれ!!と最後の最後まで下唇を噛んだのでした。身も心も美しく生まれても必ずしも美しい人生を送れるとは限らないし、そこに集まるのはむしろ醜い人なのかもしれない。傷付いたテスを力強く包み込んだ丸く肥えた体、泥まみれで仕事をして見せた笑顔、美しい人だと思った。
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