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森の学校のodyssのレビュー・感想・評価

森の学校(2002年製作の映画)
3.5
【少年・三浦春馬】

(以下のレビューは一年前に書かれ、某映画サイトに投稿されたものです。某サイトは現在消滅していますので、ここでしか読めません。三浦春馬さんが亡くなって2周年ということで、改めてここに投稿します。年数表示などはそのままにしてあります。)

霊長類の研究で知られた京大教授・河合雅雄の少年時代を描いた映画。
19年前に公開されていますが、三浦春馬さんをしのんで再公開されています。
DVD化はされていないとか。
私の住む地方都市でも上映されましたので、今回初めて鑑賞。

昭和10年頃の兵庫県山間部の小さな町。
ちょっと郊外に出ると自然がふんだんに。
生きものが好きで、色々な小動物などを飼育している少年。
男ばかりの六人兄弟。
歯医者である父と、その助手である母。

こういう設定は、何となくなつかしい。
私が小学生だったのは昭和30年代ですが(昭和40年3月卒業)、地域は全然違うとは言え、やはり地方都市に育ったので、共通している部分があるなと思いました。

主人公の父である歯科医師が治療をするシーンもある。そうそう、昔の歯科の治療台って、こんなふうだったっけ。もっとも、昭和30年代ですら歯科医の使う麻酔は効きが悪く、治療は基本的に非常に痛いものでした。今どきの歯科医の、痛みを完全シャットアウトの麻酔とは全然違いました。昭和30年代ですらそうだから、昭和10年頃を描いたこの映画の歯科医の治療シーンはややきれいごとなんじゃないか(笑)。

それはともかく。
主演の三浦春馬さんが撮影時11歳ながら見事な演技を見せています。
父親役の篠田三郎さん、母親役の神崎愛さんもいい。
リアリズムということで言えばやや甘い感じはしますが、少年の成長を暖かく見守る人々を描いた映画としては悪くない出来栄えです。

改めて三浦春馬さんのご冥福を祈りたいと思います。
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