Tラモーン

デッドマンのTラモーンのレビュー・感想・評価

デッドマン(1995年製作の映画)
3.8
やっと見つけた…。
最寄りのTSUTAYAには無いんだと思ってたけどアクションの一角の「西部劇」の棚にあった…。「マグニフィセント7」を探してたら棚ぼたよ。

ジャームッシュ好きを自称しておきながらこの作品を観れていないことがコンプレックスだったんですよね笑。


結果的にとても難しかった笑。
ジャームッシュらしい淡々とした展開と、なんだか可笑しい会話、スタイリッシュな雰囲気は堪らないんだけど、きっと理解できてない色んな含みがあるんだろうな。

ジョニー・デップはさすがに若くてめちゃくちゃカッコイイ。ロン毛とハットの組み合わせがキマり過ぎてる。

オープニングの列車の中で、段々と乗客たちのガラが悪くなってきて、都会的な格好をしてるウィリアムへの視線が冷たくなっていくあたりと、マシーンに到着してからの彼への酷い仕打ちは、アメリカの田舎が如何に閉鎖的で排他的だったかを表現してるのかな。

ウィリアムは白人なのになぁ、なんて一瞬思うものの、所謂アメリカの差別って白人→黒人ていう日本人が思うような単純なものじゃないんだよな。

黒人街に行けばイタリア系も差別されるし、結局は他所者に対してアメリカの田舎は排他的なんだな。

そのウィリアムを助けてくれるのが白人を小馬鹿にするネイティブアメリカンのノーバディってとこがまたジャームッシュの皮肉なんかなー。

冒頭「死者とは旅をするもんじゃない」みたいな詩の一節が読まれるけど、結局のところノーバディらネイティブアメリカン的な死生観に従って、死にゆくウィリアムを見送ってあげた、というお話なのか。

最初はオドオドしてたウィリアムが段々と殺しも上手くなっていく様がカッコよかった。


正直淡々としていて眠くなるところもあるんだけど、とにかく音楽がよかった。
これニール・ヤングが即興で弾いてるってマジか。ギター1本でこんなにカッコイイのすげぇな。

ジャームッシュのモノクロ映画はお洒落だなぁ。
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