サーフ

火垂るの墓のサーフのレビュー・感想・評価

火垂るの墓(1988年製作の映画)
4.1
この映画、公開当時は「となりのトトロ」との二本立てでの上映だって事初めて知った。夢とワクワクで溢れたファンタジーの世界の「となりのトトロ」と希望もなく悲しみしか存在しない、だがしかし現実という「火垂るの墓」。「となりのトトロ」→「火垂るの墓」の順番だったら見終わった後の心持ちぐちゃぐちゃになってそう。

本当に悲しい物語。清太と節子の行く末の悲しさよりも彼らの選択しだいでは「2人が健やかに生き続けた世界線」も絶対に存在していたと感じさせる所からくる遣る瀬無さの方が強い。
あの時、自分の身の振り方を考えて叔母さんと良好な関係を築けていたならば、あの時しっかり謝っていたならば。間違った選択肢を選び続けてしまった2人。戦争と言う荒波に巻き込まれた2人を責める事は出来ない。だから本当に遣る瀬無い。

序盤の節子が蛍を誤って潰してしまったシーンが全てを物語ってると思う。希望の光を自らの手で潰してしまう。でもそれはわざとではなく扱い方を知らなかったから。兄妹2人は"戦争"に殺されたというよりも"無知"に殺された、そう思えるシーンだった。
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