どりあみかこん

火垂るの墓のどりあみかこんのレビュー・感想・評価

火垂るの墓(1988年製作の映画)
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金曜ロードショー
高畑勲監督追悼特集

もはやこれは面白いつまんないと評価できる映画なのか。映画という娯楽媒体ではあるけども、そこには戦争を生きた14歳と4歳の現実がある以上、面白いつまらない関係なくこちらを見つめてくる清太から目を逸らしてはいけない気がしてくる。

なぜホタルはすぐ死ぬの?
綺麗に輝いていたホタル達の命を惜しむその言葉に胸が締め付けられました。
自分たちが生きた街、そして家族で暮らした家、美味しかったお米、ご飯を作ってくれた母、巡洋艦の艦長の父、大切なもの全て自分の命さえも儚く散ってしまうその時代の残酷さと哀しさを物語ってるようです。
亡くなってしまった二人が懸命に生きた厳しく残酷な現実のなかに、兄弟間の愛情を美しく描いてくれた高畑勲さん。
火垂るの墓というリアルでありながら、戦時の物語にこんな美しさを見出す作品はこれに尽きるのではないでしょうか。

そしてものが少なかった幼い二人が見るホタルの光はどれくらい綺麗に見えていたのだろう、今の時代を裕福に暮らす私には分からないんだろうな。

一番印象的なシーン。
清太の鉄棒、もちろん火垂るがぶぁあとなる、交番前で清太と節子が抱き合う。