〈 なにもいらない。どこにもいかないで…
野坂昭如さんと高畑勲さん。
もう30年も前の作品になる。
十数年ぶりに観た感想としては…
絵の凄みと美しさ。
奇怪で無駄のない演出。
そしてこれは子ども向けでもなければ一般の大人向けでもない。
強い二人の作家性。
やはりとても闇(病み?)の深い作品のように感じました。
個人としては、ただただ〝生きることは大変〟で、〝人の本性は自分勝手で残酷でひ弱く、醜く愚かである〟とあらためて突きつけられたようで… 。
やはり好みではないし、わざわざ二度も観るような映画ではなかったようにも思う。
ただ、観る側に対し安易に感情の方向や答えを提示しない分、独特のモヤモヤ感はあるけれど、作品としての普遍性や芸術性のようなものは高いのかもしれない。
「この世界の片隅に」と似てる。
高畑さん、
「ハイジ」や「赤毛のアン」、「じゃりン子チエ」などをみて育った世代なので、宮崎さん等との関係も含めて、気持ちとして近しいかたでした。
やり残したことはまだまだあったかと思いますが、手塚さんや小津さんなどと同じく生前中のその数々の作品とお仕事は、これからも伝え愛され続いていくことと思います。
どうぞ、安らかに。
そして、別れと感謝を。