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リトル・ブッダのsoffieのレビュー・感想・評価

リトル・ブッダ(1993年製作の映画)
5.0
1993年劇場公開

2018年に77歳で亡くなった巨匠ベルナルド・ベルトルッチ監督の作品。

音楽を坂本龍一が作曲している。

私の大好きな映画。

独断で感想を書くと「もうとにかく美しい!!」「キアヌ・リーブスが美しい!!」お釈迦様がもし本当にキアヌ・リーブスの様な美しい人だったら私は喜んで仏教に帰依して一生をお釈迦様の為に捧げます!!と度々思う程の美しさ。

ストーリーの本筋はブータンの高僧が亡くなり「預言者のお告げ」によって赤い僧衣を着たお坊様が高僧の生まれ変わりを各国から探し出し、ブータンのお寺に連れて行き本当に生まれ変わりなのか試験をする。

選ばれた1人の白人少年と他2人、そして夫婦仲が冷めがちだった少年の両親にも、ブータンへの旅と修行僧達の清貧で祈りに満ちた日々を体験することで心境に変化が訪れる。

今なお現実的には中国から迫害を受ける民族として内紛が耐えない場所だからこそ、ひたすらに祈りに徹する修行僧達の生活は言葉を超えて強く訴えかける物がある。

高僧の生まれ変わりを探す旅と並行して釈迦であるゴーダマ・シッダルタ王子が、美しい物に囲まれた幸せな王宮の生活から、若く美しい妻とも別れて修行に入り開眼していく姿をキアヌ・リーブスが演じている。

一切台詞がなく仏教で語られる有名なシッダルタの物語の場面がベルトルッチ監督の独特の色彩で映し出されてとても美しい。

この撮影当時キアヌ・リーブスは親友のリバー・フェニックスを亡くしている。

リバー・フェニックスの訃報とキアヌのシッダルタ役が重なり一映画ファンとしてはこの映画は、そおいう意味でも忘がたい。

実際に輪廻転生を信じる仏教では位の高い僧の死後、生まれ変わりに全てを相続させる輪廻転生制度がある。

「僧侶」の場合は男性なので選ばれると亡くなるまでその地位に留まるが、ネパールで現在も実在する「少女神」クマリは3、4歳で選ばれて俗世を離れクマリの館で家族、親族から隔絶されて生活をして初潮が来ると次のクマリに交代する。

ベルトルッチ監督は実際はチベットの修行僧をモデルにブータンに置き換えて脚本を書いたのだろうか。

西洋人から見た仏教に対する独特の神秘性が映画の中にドラマチックに描かれている。

坂本龍一の音楽がさらに映画を印象的なものにしている。
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