近場の市民センターで古い映画の上映会があると言うので観に行ってきました。
その名の通り、太平洋戦争下の広島を描いた映画ですが、完成したものの「反米色が強い」として予定していた大手映画会社からの全国配給がなされず、一部試写と自主配給、学校での上映以外は興業が実現しなかったという”幻の映画”だったそうです。当時映画制作に関わっていた助監督の息子さん、お孫さんが2代にわたって上映会を続けており、そのお孫さんが現在八王子在住というとのことで今回の上映会が行われるに至りました。
一言でいえばすごい映画で、原爆投下直後の広島の地獄絵図がかなりの迫力で描かれています。当時の惨状を多くの人に知って欲しいという思いから、広島市民9万人がエキストラとして参加。主演の月岡夢路も当時トップクラスの出演料だったにもかかわらず、同じ思いから本作はノーギャラでの出演だったそうです。
音楽は『ゴジラ』の伊福部昭が担当。本作のスコアも荘厳で美しいです。(翌年公開の『ゴジラ』に転用されている曲もあるそうです。)予定通り一般公開されていれば名作のひとつとしてラインナップされてい思います。
様々な人の尽力で2017年デジタル化。現在は配信レンタルやDVDでもみることが出来るそうなので、興味のある方ぜひご覧になってはいかがでしょうか。