えみ

ひろしまのえみのレビュー・感想・評価

ひろしま(1953年製作の映画)
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重すぎた。想像以上だった。文字やイメージだけで原爆のむごさを伝えきることは困難だし、きっとこの映像でも足りないんだろう。生き地獄とはまさにこのことだと、白黒の再現映像でさえ感じられる。実際の被爆者の方々が後世に伝えるべきだと、自分たちの過酷なトラウマを堪えてこの映画に関わってくださったんだと思うと、本当に頭が上がらない。
もっと知らなきゃだめだ、これからの世代を担う私たちが。「戦争」を知らない世代にとって、「戦争」がどんどん軽いものとして認識されていく。戦争を正当化しようとする議員を一定数の国民が支持し、原爆ドームの前で大声で談笑したり、インスタ映えのフォトスポットと言わんばかりに満面の笑顔で写真を撮ってSNSにあげる若者が沢山いるという日本の現状。
ひろしまで過去に本当に起きていたこと、日本がしてきたこと、国民がどんな状態だったのか、みんな知らない。私も本当のむごさは知り得ない。でもこんな地獄はどんな理由があっても絶対に正当化されないことは、こういう作品に触れれば十分にわかる。そんなことすら、時間が経つにつれ忘れられていくし、私自身もこういう作品に定期的に触れなければ、深刻な気持ちが薄れてしまうことを自覚している。だからこそ、こういう作品が、新たな世代に受け継がれ、受け止められていかなければならないんだと思う。すごく重くて辛いしトラウマものだけど、全国民が、いや、全世界の人がみるべきだと思うし、本当に、決して同じ過ちを繰り返さないことを、このリアリティをもって一人一人が心に誓わないといけないんだと思う。

この時代の作品とあって、ストーリー展開とかはわかりにくいところもあるけど、よくこんなにリアルに色んな残酷なシーンを再現できたな、と思う。その日から8年後の作品だからこそ、当時の人々の抱える闇や街の雰囲気はそのままに伝わってくる。

点数はつけられない、とても。
でも本当にたくさんの人が目を背けないで向き合うべき作品だということだけは確かだ。