幕のリア

ファッションが教えてくれることの幕のリアのレビュー・感想・評価

2.3
5年ほど前、某大手出版社のファッション誌とあるブランドを繋いでコラボ企画商品を作る仕事があった。
そのファッション誌の編集員の女性とブランドのMDやプレスの顔合わせに立ちあった。
その編集員の女性の、ファッションセンスを感じないルックス精度の低さ、無駄に自信に溢れた立ち振る舞い、微妙に謙虚さを欠く言動。
毎回こいつが出てきたらやばいなと警戒心を強めた。
幸い、その後はお互い実務担当だけで進めることが出来て、どうにかこうにか企画も撮影も納期も売れ行きもどうにかこうにかなって、また次回もお願いしますと継続できた。

そん時のあいつ。
きっと本作を訳知り顔で見たたんだろうなと思い出した。
全く次元の異なる本作の登場人物に自らを投影していたに違いない。

絶望的に単調な撮影、編集、ダサい音楽。
特に驚きも無いアナの仕事ぶり。
自らの仕事に他者の安易な介在を許さない独裁ぶりを考えると、製作側の勝手な表現を許さなかったか、彼らの才気が不足していたか、そのどちらかに違いない。
いや、意外に映像作品への審美眼はそこまでなのかもしれない。

紙雑誌媒体とセレブファッションのその後の様変わり、そしてコロナ禍での仕事の進め方を考えると、前時代記録として貴重な映像資料となっている。

〜〜

今日の一曲

Madonna - Vogue

https://m.youtube.com/watch?v=GuJQSAiODqI
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