ドルフィンキック

SPL/狼よ静かに死ねのドルフィンキックのレビュー・感想・評価

SPL/狼よ静かに死ね(2005年製作の映画)
3.9
劇場公開時、天六ユウラク座で、観ました。

犯罪組織と刑事達の戦いを描いた物語。

当時、観たときは、ノワール系映画とカンフー映画を融合したような斬新な映画だと思いました。

サモ・ハンは、「燃えよデブゴン」シリーズでのコミカルな役のイメージが強かったので、本作での黒社会の渋いボス役は、何だか、新鮮に感じました。
若い頃よりも、更に太って、老けて、貫禄タップリだったので、中々、似合っていたと思います。

物語面に関しては、家族愛あり、友情あり、涙ありで、とても見応えがありました。
最後のまさかの大ドンデン返しのような予想外の展開にビックリ!でした。

アクション面に関しては、ドニー・イェンが、トニー・ジャー主演の「マッハ!!!!!!!! 」に触発されて制作されただけあって、激しいリアルヒッティングアクション満載!!!!!

特に、当時、現代劇初挑戦だったウー・ジンのスピーディーで、キレッキレッのアクションは、圧巻でした。
体を回転させてナイフを投げたり、障害物をバク宙して飛び越えてオーバーヘッドキックを炸裂させるシーンに、度肝を抜かれてしまいました。
肉体ポテンシャルの高さは抜群ですね。
トニー・ジャーも、真っ青の超絶アクション全開でした!!!!!

そして、クライマックスの二大ファイトも、凄まじかったですね~。
セミファイナルのドニー・イェンVSウー・ジン戦は、特殊警棒とナイフを使用したウエポン戦で、緊張感のあるスリリングな手に汗握るバトルだったので、ずっとスクリーンから、目が離せませんでした。
お二人の武器裁き、超高速の殺陣に引き込まれてしまいました。
正に、カンフー映画史上に残る名勝負でした。

ラストバトルのドニー・イェンVSサモ・ハン戦は、カンフーにMMA(総合格闘技)やプロレスの技を取り入れた斬新な殺陣になっていて、ド迫力でした。
ドニー・イェンお得意の空中連続三段蹴り、マウントポジションからのパウンド(高速パンチ)、腕ひしぎ十字固め、三角締め、ブレーンバスター・・・。
とにかく、次から次へと、激しい技が、炸裂する、リアル志向のガチンコアクション全開!のお二人のド迫力の肉弾戦に、とても興奮しました。

本作でのMMA(総合格闘技)的なガチンコファイトスタイルの殺陣は、後の「導火線」や「特殊身分」に多大な影響を与えと言っても、過言ではないでしょう。

アクションに対して、常に新しいものを追い求めるドニー・イェンには、感心しますね。

それから、ドニ・イェンは、作品や演じるキャラクターによって、器用に、ファイトスタイルを変化させることが、出来る優れた武打星だと思います。
ドニー・イェンは、デビュー作品のユエン・ウーピン監督の「ドラゴン酔太極拳」では、型にはまった、アクロバティック且つリズミカルな「~拳」チックなファイトスタイル、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ外伝/アイアンモンキー」では、重力を無視した華麗なワイヤカンフーファイトスタイル、「SPL」、「導火線」、「特殊身分」では、MMA(総合格闘技)やプロレスの技を取り入れた、リアル志向のガチンコリアルファイトスタイル、「かちこみ!ドラゴン・タイガー・ゲート」では、ワイヤーとCGと己の生身に肉体を駆使したアクションを融合した、劇画チックなぶっ飛んだファイトスタイル、「イップ・マン」シリーズの高速連打の葉門アクションのファイトスタイル・・・。
幅広いファイトスタイルをこなせるところが、実に、素晴らしと思います♪