Ryu

ベティ・サイズモアのRyuのレビュー・感想・評価

ベティ・サイズモア(2000年製作の映画)
3.6
ダイナーのウェイトレスをしているベティ・サイズモアはとある昼メロのだいファン。車のディーラーをしている夫は他の女と寝まくるし、ヤクの取り引きにまで手を出すしもう散々。ヤクに手を出した結果、失敗して殺し屋に頭の皮を剥がれて殺されてしまう。それを隠れて見ていたベティはショックのあまり、大好きな昼メロの世界が現実にあるものだと思い込み、その主人公と結ばれるためにロサンゼルスへと向かう。一方殺し屋も姿を消したベティを追いかける。

冒頭から夫 アーロン・エッカートのクズっぷりが炸裂。スーツ着てピシッとしてるイメージが強いのでマレットヘアにあのダメダメっぷりはちょっと新鮮でした。
ゴールデングローブ賞を受賞したレネー・ゼルウィガーの演技は見事なものでした。完全に信じ込んでいるがゆえになんだかちょっと怖さを感じます。周りがその妄想に合わせたりするところはなんだか共感性羞恥を感じました。
さらに殺し屋モーガン・フリーマンも違う方向にどんどん壊れていきます。仲間のクリス・ロックはベティをぶっ殺してやる!って意気込んでいますが、モーガン・フリーマンの方はなぜか彼女に思いを寄せはじめ、その気持ちは次第に膨れ上がってきます。この殺し屋の気持ちも理解し難い方向に行って、これまた怖い。
一応コメディなんだけど、サスペンス要素もあるし、ブラックな要素、ちょびっとのグロ要素があったり。中々ぶっ飛んでいて型にはまらない不思議な作品でした。脚本賞を受賞したのがカンヌ国際映画祭ってのもなんか分かる。
Ryu

Ryu