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ベティ・サイズモアのRのレビュー・感想・評価

ベティ・サイズモア(2000年製作の映画)
4.1
見はじめは、ジェケットの楽しそうな感じと違って、地味でローテンションで盛り上がらない淡白な映画やなーと思ってたんやけど、じわじわじわじわ面白くなっていって、最終的にはキチンと座って画面に釘づけになってた笑 そんな有名でもなく、派手な映画でもない、隠れた名作って感じでしゃうか。途中からかなりおもしろくなる! レニーゼルウィガー演じるベティサイズモアは、デルというサイテーなクソ男と結婚してて、さえない片田舎の喫茶店でウェイトレスとしてコーヒーを注ぐ。彼女はソープオペラ『愛のすべて』の主人公デイヴィッドという素敵な医師にハマってて、あんな人がいてくれたらなぁと妄想しながら暮らしてる。ある日、旦那のデルが、自宅に招いた黒人2人に、頭の皮を剥がれ銃殺されるところをこっそり目撃。そのショックで現実と妄想の境がなくなったベティは、テレビの人物デイヴィッドを元婚約者と思い込んで、急いで会いに行くことに。で、ベティが乗って出て行った車に、実は黒人2人が探してたものが入っていたため、彼らはベティの行方を探し出し、追跡しようとする…と、ストーリーだけ追うと、かなり突飛な設定のサスペンスって感じ?に思えるし、そういう要素も多分にあるんやけど、これが非常に巧妙に演出されたコメディであり、ラブストーリーでもあるのです。特にベティが実際首尾よくデイヴィッドに会ってしまってからのやりとりはめちゃめちゃ面白い! ただ字幕だとそのニュアンスがあんま伝わってないんじゃなかろうか。是非とも英語で理解すべきユーモアがてんこ盛り。ふたりが妄想と現実の境の見えないバリアを通して会話してるのがめちゃめちゃスリリング!で、それ以降は一体話がどう転がっていくのか全く読めず、展開に没頭させられてしまった。評判ほど妄想こわい!やばい!みたいな感じは全く受けなかったけど。出演者がかなり豪華なのは見応えありで、それぞれのからみがとても面白い。ゼルウィガーとモーガンフリーマンとか、ゼルウィガーとアーロンエッカートとか何かすごい違和感あるコンビやし。しかもこんなクレイジーな役をさらっと見せてしまうゼルウィガーはやっぱスゴイなぁと。あとソープオペラの脚本家を演じるアリソンジャネイはいつ見てもかなりいい味の脇役者っすね。最後のストーリー展開は完全に予想外の結末。アンダートーンとして、フェミニズムもピリッと効いてて、クソ男どもの支配から、そして男に対する妄想から抜け出して、自分らしく自分の人生を生ろよ, girls!というメッセージもあり。映像も色彩も独特な雰囲気があるし、かなりおもしろかった! また見たいかも!
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