回転の作品情報・感想・評価

「回転」に投稿された感想・評価

horahuki

horahukiの感想・評価

4.7
今日でfilmarks始めて1年経ちました!
皆さんいつも本当にありがとうございます!
これからもよろしくお願いします(*^^*)

メモリアル?に選んだのはこの作品。
ジャック・クレイトン『回転』です。
ずっと前からめっちゃ見たかった作品なんですけど、DVDはプレミア価格で1万以上…。発掘良品でレンタルさせてくれるTSUTAYAさんさすがです!

というわけで、あらすじ…

とあるお金持ちの屋敷で、住み込みで男女2人の子供達の家庭教師として働くことになった主人公。主人は仕事で忙しく、子供嫌いで別なところで暮らしている。2人の面倒を見ていくうちに、家政婦らから不穏な話を耳にする。前任の女性家庭教師は自殺しており、以前働いていた男性従者(こちらも死亡)とやりまくってたらしい。そして、それを幼い子供達が見ていたという。そのせいで主人公は変な考えに囚われ、それと同時に、死んだはずの彼らが見え始め…という話。

大傑作でした!!
とにかく素晴らしいのは怪異描写。幽霊を見るのは主人公だけなんですけど、それが実際に存在するのか、それとも主人公が精神を病んだ結果なのかは最後まで見てもわかりません。そして、その見せ方がとにかく不気味。幽霊は目立った動きを見せず、ただそこにいるだけ。例えば、ただ湖の向こう側に立ってこっちを見ていたり、廊下をただ横切ったり、窓の向こう側からただ覗いていたり。敵意があるのかないのかわからない、ただそこに存在する霊というのが何とも怖い。シーンの1つ1つが凄すぎてため息しか出ません。

原作のヘンリージェイムズ『ねじの回転』は10年くらい前に読んだきりですが、主人公の性的欲求不満に根ざした精神的倒錯という、原作で有力な解釈もしっかり取り入れていて、より怪しさが増しています。

お金持ちの主人を男性として意識し、主人に気に入られるために子供達の面倒を見る。そして、子育てをしているうちに、無邪気さの中に性的な不純さを子供たちに見出していく主人公。自己の欲求不満と合わさり、美しすぎる男児の魅力にも気づかぬうちに惹かれ、倒錯していく様を描いた作品……だと思います(笑)

オカルトホラーとしてもサイコホラーとしても傑作な上に、Jホラーの恐怖演出の源流の1つと言われてる作品。1万出しても買う価値あると思うんですけど、なかなか手が出ない…早くBlu-ray化してください!お願いします!
tapes201

tapes201の感想・評価

4.5
初見。これは凄い。ヘンリー・ジェイムズの「ねじの回転」をカポーティが端正に脚色。善か悪か清廉か邪悪か、振り子のように行ったり来たり、しかしながらねじの回転さながらラストのカタルシスまで一直線。原題の『無垢』というのがさらに突き刺さる。マーロンブランドの怪演も素晴らしい「妖精たちの森」、この前日譚だったんすね!フローラ役のパメラ・フランクリン、ヘルハウス!妖婆の家!
まいこ

まいこの感想・評価

4.0
ずっと観たかった映画。
オープニングの不穏な感じがもうたまらん。派手な怖さはないけれど居心地の悪い不気味さが続く。そしてラストが…。
思わず「なんで!?」と叫んでしまいました。
BAC

BACの感想・評価

4.4
・オープニングの歌にタイトル・クレジットの手の表情といい、これはただ事では済まない話だという予感を覚える。そして実際そうなった。

・前半はホラーというよりも古典的な西洋怪談といった感じだが、後半、ミス・ギデンズの心が揺らぐ辺りから、怪談+心理サスペンスとして目を離せなくなる。また2回目に観た時の方が、体の周囲からジワジワくるような、静かでおっかない雰囲気を感じた。

・ミス・ギデンズの想像ゆえの暴走なのか、それも呑み込んだ上でのクイントの邪悪さなのか、ジェスルは何を訴えたかったのか、この観る側に投げかけられた、色々と解釈できる曖昧さが頭に残る。容赦無い終わり方なので余計に。

・池の端に立っているジェセルさんの「何か嫌なものがそこに居る」といった感じの嫌~な距離感。

・デボラ・カーの表情の演技、また10歳ぐらいだろうに、こんな難しい役をよくやったなあと思わせるマイルスの子役。

・エクソシズム的な要素もあるんだが、心に巣くってる者の名を呼べば救われる、というのは西洋では常識というか宗教の知識の一端としてあるんだろうか。
子供たちが 可愛くて 生意気で不気味で好きです。館 ろうそく ドレス 洋風なホラーはこういった所が癒されます。
原題『The Innocents』=無垢ということで、ジャケットには家庭教師と子供達。子供たちだけじゃないのがミソかと。

冒頭、どこか官能的な表情で祈る家庭教師。依頼人である叔父さんに強く引かれた様子。赴任した先で明らかになる前任者ジェセルと男召使いクラウスの恋。両者の不審な死。恋というかDV。多分2人の昼日中の情事を日常的に目撃していたことで歪んでしまった子供たち。子供たちに彼らの霊が取り付いていると思い込み始めた家庭教師。このころから衣装が黒くなる。子供たちに霊の存在を認めさせれば救われると信じて、彼らを追い詰める家庭教師。そして…

なんというか、「彼らの情事を子供たちが目撃していた」と知ってからの家庭教師のこだわりっぷりが強くて、オールドミスの欲求不満が拍車をかけてたんじゃないかと思いました。じゃなきゃあんなラストにならんでしょう。
非常に渋いホラーの古典。
この映画の幽霊は、驚かせる為に「出る」のではなく、超常現象としてそこに「在る」といった感じ。湖の上や窓ガラスに映りこんで、じっとこちらを見ているだけ。

音や光で驚かせるタイプのホラーは肯定派の私ですが(見る側の私にとって怖ければ手段なんて関係ないので)、わざわざ人間を脅かしに来る幽霊というのは、映画の都合で作られた商業的存在である事が前面に出てしまう事は否めない。
対して、この映画の幽霊は本当に不気味で迫力がある。

幽霊が地味な分は、デボラ・カーの演技力でカバー。
あの怖がり方だとか、後半に向けての豹変だとか、シャイニングのジャック・ニコルソンに匹敵するのではなかろうか。

ラストは、リドルストーリーと取っていいんだろうか?
リドルストーリーにも好き嫌いがあって、例えば乱歩の一枚の切符は好き。
オチをこちらに想像させるというのは、ゴールの直前で突き飛ばされたような拒絶を感じるのは確かでそれまでの話の構築だとか雰囲気が上手くないと、「はっきりしろや!」となるのではないかと。

この映画のラストに関しては、私は好きです。デボラ・カーの狂いっぷりを人間の狂気と捉えて恐れるのも、悪霊でないと説明がつかないと捉えて恐れるのもいいので、二度美味しいんじゃないでしょうか。
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