Moeka

鉄男 TETSUOのMoekaのレビュー・感想・評価

鉄男 TETSUO(1989年製作の映画)
3.3
金属と肉体の同化、セックス、融合といえば我らのクローネンバーグ先輩だが本作はヴィデオドロームに裸のランチにスキャナーズを足してそこから哲学チックなquoteを引き映像を用いてひたすら暴力と欲望の幻想に観客を浸らせ犯すような映画だった...息をつかせないスピード感、街の熱気に汗と反する金属の冷たさと反り立つ無機物の残虐なエロス、サブリミナル的かシュルレアリスム的というべきかイメージのアンサンブルがハイテンションで迫ってくる意欲的で挑発的な作品。単純に私はクローネンバーグの美的センスが好きなのと彼の作品にある異なる自我の融合、こちらを見つめる深淵のイメージや正しい変態の在り方が好きだから、この鉄男のように映像体験に重きをおく映画は好みではない、でした(物語の良し悪し関係なく)
Moeka

Moeka