コミヤ

ロスト・ワールド/ジュラシック・パークのコミヤのレビュー・感想・評価

3.5
TREXが二頭登場!しかも町で暴れる!など続編ということで物量増やして一作目以上の見せ場を用意しようとしたのは分かるけど終始盛り上がりに欠ける。キャラクター描写、アクション、音楽など映画的快楽に満ちた前作と比べるとどうしても見劣りしてしまう作品。

登場人物達は前作からかなり頭が悪くなり(単身上陸するジュリアンムーア、あんな悲劇が起こった島にロクな武力の無い4人組を派遣するハモンド、勝手についてくる娘とそれに気付かない親、なぜかTREXのハッチを開けるおっさんなど)また内面の成長や葛藤みたいなのがないので味わい深さや魅力も少なくなった。小型恐竜をいじめて結局食われるピーターストーメアは好印象。

アクションに関してはロケーションを活かしサスペンスをふんだんに盛り込んだ高低差のあるアクションが素晴らしかった前作と比較すると、崖から落ちそうになるトレーラー内でのアクションやラストのTREX上陸もただ間延びしているだけでに思えて前作ほどの緊迫感を感じられなかった。

そして何よりがっかりだったのが大自然を前にしたら人間なんて取るに足りないちっぽけな存在だというような絶望感をあまり感じられなかったこと。おいTREX!麻酔一発で眠ってんじゃねえ!せっかく町に出たんならもっと暴れろ!本作のテーマ?だから仕方ないけれどTREXにも子育て設定を入れたことで一作目にはあった神性のようなものを感じられなくなった。でも2匹で人間を半分に喰い千切ったり、踏んづけた人間の体が足の裏にべっとりくっついてから落ちるなどの割とエグい悪趣味描写があったのはせめてもの救い。
コミヤ

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