ストップモーションアニメといえば何と言っても「ウォレスとグルミット」シリーズだが、ウェス・アンダーソンはそこに新たな傑作を送り込んできた。
泥棒家業をするキツネのMr.FOXだが、子供が生まれるのを機に足を洗う。
3人一家で新たな家に住むも近くには3つの農場があり、生来の野生が目覚めだしてしまい、遂には人間とキツネの戦いに。
アニメとはいえ子供向けに特化してはいない。
完全に大人向けであり、ブラックなジョークが非常にツボにはまった。
粘土特有のぎこちない動きも非常に温かみがある。
地中を掘っていくところなんてレトロこの上ないが、それすらも作品の魅力になっている。
アンダーソン作品常連のビル・マーレイやジェイソン・シュワルツマンもいいが、主役のMr.FOXを演じるジョージ・クルーニーのしぶい声がピタリと嵌っている。
それと笑いの間をこういったアニメで再現していることも驚く。
劇場で見なかったことを後悔したくなる作品だった。