どーもキューブ

女が階段を上る時のどーもキューブのレビュー・感想・評価

女が階段を上る時(1960年製作の映画)
4.3
成瀬の女が、夜のお勤めに出掛けるとき


成瀬巳喜男監督。

本作では、夜のお勤め。

水商売に勤める女性達を描く成瀬監督。

見終えた後、高峰秀子の素晴らしさは勿論の事、

何より下世話になりそうな展開を大変な品格と愛情を持って

成瀬監督が描いた事にことさら驚いた。

高峰の素晴らしいボイスオーバー。

揺れ動く気持ち、日々の不安、

周りを冷ややかに見る視点。

次々に出てくる高峰と繋がる人々。

加藤大介の素晴らしさ、仲代の存在。森雅之の男っぷり。

その中を痛めながらぬうように駆け上がる「女」高峰の生き方。

特殊な世界をクッキリ切り取った成瀬の夜の社交場はたまらない魅力

夜の人にあふれている。大好きな世界観だ!

追記
四大巨匠の中で私が一番崇拝する成瀬監督。

その中でも抜きに出て秀抜な映画

小津にないその辛辣さ
黒沢明にない女性ぶり
溝口までもドロドロに魅せない、荘厳さもない

成瀬監督の

所詮映画なんて翌週にみな忘れる(本人談)的風化するような

夜の風俗をよくぞロマンポルノのようにべったりそのままにではなくて、

まるでススキに吹く空っ風のような乾いたささやきを聞いてるような

鮮やかな切なさを叩きつける高峰の孤独なよるの戦い!

私は、コレを、見てやっぱりこの監督

ナルセ!スーゲェ!

って完敗した作品。DVD廉価になり欲しいが、マイショップはすでに売り切れ!

今にも通じる誰でも風俗パルプンテなガラパゴス水商売を

成瀬は、上品に描く階段上り下りすってんてん話。

とにかく頭をなぐられた作品であり、出会いの作品です!