くろいひと

女が階段を上る時のくろいひとのレビュー・感想・評価

女が階段を上る時(1960年製作の映画)
3.4

銀座ではたらく女たちをえがいた作品。

ものがたりとしてやや凡庸だが、店のマダムをつとめる主人公がそもそも水商売か自分に向いていないと自覚しているところが典型をはずれて面白く、それが高峰秀子のキャラクターともあっている。

めずらしくセンスよくはまった黛敏郎の音楽が夜の街のリアリティを演出する一方、ナレーション頼みの悪い癖が出るのが残念。
「階段を登る」という秀逸なメタファーになりうるモティーフが情けないほど生かされていないのも、また残念。
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