こめこりなこ

クラッシュのこめこりなこのネタバレレビュー・内容・結末

クラッシュ(2004年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます


確かに皆さんのレビュー通り、内容は非常に重かったですが、しかし結構楽しめた作品でした。

中国女
黒人
アジア人
不良

差別を題材にした作品でしたが、

「差別」と聞くと日本人には関係ないように思いますが、この映画を見ているとそうではないということを実感させられます。

もっとミクロに、解体していくと、例えば学歴社会だったり、教室の中でおこるスクールカーストだったり、会社の中でおこる上下関係も根本を辿れば、「差別」というところに繋がってくると思います。

結局は、人間の心の問題ということで、差別をもっと身近に感じることができる映画ということで高評価を押しました。

そしてそれは果てし無く長い時間と歴史が積み上げてきたものは(差別を積み上げるというのは違和感に感じるかもしれませんが)根強く、そしてなかなか解決することは難しい問題です。


冒頭でも、「中国人女」といいましたが、日本人の中でも普段は関わることがないから思うことがなくても、映画やテレビ、メディアの中ででてくる中国人の女性は、

「片言で、自己主張が強く、喧嘩腰で謝らない」というイメージがステレオタイプとしてすでに存在してるわけです。

しかし、映画の中では、夫?恋人?が事故を起こして、大慌てで広いアメリカの中を探しだし、駆けつける中国人の女性なのです。

そういう伏線をひとつひとつ紐解いていくたびに、いろんなタイプの差別を映し出しているこの映画は、「みんなどこかで知っているけれど、あえてださない」という点で面白かったですね、


昔見たテレビで、ビューティーコロシアムという、自分の顔で悩み整形をするという番組がありましたが、そこで出演していた女性は、容姿に自信がなく、幼い頃は化け物といじめられ、大人になって電車にのっても、その車両から彼女をみた人が避けていなくなるというのを話していて、この日本にそんな差別があるのか!という衝撃を受けた記憶があります。

日本の場合、自分の判断というよりは周りの反応に流されて、避けたということもあるでしょうが。

映画の中でも、白人女性が黒人の若者を見た瞬間に歩くルートを変えたり、隣にいた男性にくっついたり、

声に出さずとも、無意識的に相手を怖いと思い、差別しているということがあるというのは、日本も同じだということでしょう。

人間、理解できないものは怖いのです。
逆を言えば、理解すれば怖くないのです。

ということを考えさせられる映画でした。