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ダイ・ハード4.0のTEPPEIのレビュー・感想・評価

ダイ・ハード4.0(2007年製作の映画)
4.2
どうして数あるシリーズの中で第4弾を選んだかというと、シリーズで1番何度も見るからだ。僕のなかで不動のアクション映画は「ダイ・ハード」「フェイス・オフ」「スピード」という御三方で、何度見てもいいアクション映画という点ではこの第4弾は第1作目に次ぐ面白さ。個人的には「ダイ・ハード」のピークはここらへんで、え?第5弾?ありましたっけ?みたいな感じなのだが、このレン・ワイズマン監督には称賛の声が集まっている。特に第6弾にカムバックという話もあり、いちシリーズファンである彼のリスペクト精神に溢れた「ダイ・ハード 4.0」は大迫力だが現代的でうまくそこを利用したアナログvsデジタルというテーマを生き生きと描いている。なおかつ脚本は程よいオマージュに、ちょうどいい年の取り方してるジョン・マクレーンのキャラクター性が第1作目にとても近い。それだけではなく、今回のバディ・キャラであるジャスティン・ロング、M・エリザベス・ウィンステッドのさりげない一癖がとてもいい。どこか似ているところや正反対なところもあり、ジョン・マクレーンを演じるブルース・ウィリスとの相性もいい。悪役としてはマギーQとティモシー・オリファントが地味〜に暗躍しているにも関わらず、正体が正体なので納得できる欲望ぶり。とにかくアクション!が第一条件に素晴らしい。無駄な爆発とか大げさなアクションもあるが、それに奮闘するマクレーンの存在感が際立つ。知的なアクション、細かいアクション、大味なアクション、漫画なアクションととにかく多彩な描写が本作のいいところだ。レン・ワイズマンは一作目の台詞を全て言えるという超絶のオタクだが、それも納得の「ダイ・ハード」は決して古い映画ではない、良い映画だと思わせてくれる。少なくともストーリー、アクション、完成度では「ダイ・ハード2」よりコミカルではなく、「ダイ・ハード3」よりも真っ当なスリラー・アクションになっている。本作のストーリーはより現実的で、より現代的で意欲がある。
総評として「ダイ・ハード4.0」は快いアクションと熱いストーリーが上手く整った完成度の高いアクション映画である。シリーズものとしては1番何度も見たくなる、何故かはわからないけど。やはりビック・バジェットなので迫力体感には持ってこいという作品。どちらにしても次作で起きた悲劇の完成度を見るよりも、しっかりこの第4弾を楽しむことが「ダイ・ハード」を面白いと思えるだろう。この映画の素晴らしいところは新たなファン層も取り入れる魅力があるということだ。
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