ぉゅ

男はつらいよ 寅次郎相合い傘のぉゅのレビュー・感想・評価

4.2
2020年 鑑賞
BSテレ東にて、テレビ初放送の4Kでらっくす(4Kデジタル修復版)での一挙放送にて。17/50作目。
今回も夢始まり。海賊のミュージカル?やっぱりさくら推し?タコ社長は部下?寅さんは夢でも葛飾柴又に戻りたいのかな?

11作目のマドンナ・リリーさん(浅丘ルリ子さん)が、突然とらやを訪れる。どうやら寿司屋の夫(毒蝮三太夫さん:未出演)と離婚し、また歌手でドサ回りをしているそう... また旅へ出るそう...

青森にて、とらやのプリンス・寅さんは一流企業の課長で、通勤途中で蒸発した兵頭謙次郎(船越英二さん)と出会い、北海道を一緒に旅をしている。パパこと、兵頭さんは、自由を求めているみたい...
函館にて、今作でもマドンナのリリーさんと再会。
リリー「今まで何をしていたの?」寅さん「恋をしていたの?」に爆笑。だが、“温っためて”のシーンは、寅さんの嫉妬を感じた。
小樽にて、パパのマドンナ(初恋の相手)・堀田信子(岩崎加根子さん)に会いに行くのだが... 勇気が出ず、彼女の話相手も断り、去ってしまう... 「僕っていう男はたった一人の女性すら幸せにしてやることもできないダメな男なんだ」と... そこに噛み付いたのがリリー。「女が幸せになるには男の力を借りなきゃいけないとでも思ってんのかいっ!」そこから寅さんとリリーさんは喧嘩別れを... 止めることが出来なかった寅さんの表情や背中が寂しく感じた...

柴又・とらやに帰って来た寅さん。リリーさんと再会&仲直り。
ここからは、染みるシーンまみれ...
・寅さんの「銭がふんだんにあったらなぁ」と始まる、身振り手振りの入った “寅のアリア” (独り語り)。
・あの有名な “メロン騒動” 。 「うちでは勘定に入れてはくれない!」から始まる、寅さんうだうだ口上!そして喧嘩騒動... 最後はリリーさんに丸め... 爆笑!
・寅さんとリリーさんの相合い傘。口では悪態つきながら、顔は嬉しそうな寅さん。迎えに来てくれた寅さんを見て、嬉しそうなリリーさんの顔!リリーさんと寅さんの相合い傘の会話や2人の表情も、堪らない!
・さくら夫婦とリリーさんの会話。 さくら「リリーさんが、お兄ちゃんの奥さんになってくれたらどんなに素敵だろうなあって... 冗談よ。」リリー「いいわよ」「あたしみたいな女でよかったら...」寅さん「冗談だろ?」リリー「ええ、冗談よ」
寅さんは、よくわかっている。俺みたいな... って...

やはり渡り鳥は、憧れられるが、深入りしちゃいけない。だから好きになっても、仲良しで、心の通ずる友達や戦友でいれればいい!個人的にはそういう風に捉えた!私もそういう性格だから... 優しい人でしょ?自分で言っちゃ、お終めぇよ!

“わたしの寅さん、ぼくの寅さん”に寄稿された本広克行さん(映画監督)。はじめて映画館で観た実写邦画がこの作品で、「メロン騒動」のシーンは僕の中でのコメディシーンのバイブルになっているくらい影響を受けてますと、おっしゃっていました。私は小学校高学年くらいの時に、渥美さんの訃報を... もちろん当時も「男はつらいよシリーズ」に興味もなかったし、劇場で観る機会もなかったが、50周年の50作目には、にわかでも劇場で鑑賞できて良かったと思えた。あの時の気持ちや感情は忘れない!と思えた。

1061(20-193)
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