相模ねこ

父親たちの星条旗の相模ねこのレビュー・感想・評価

父親たちの星条旗(2006年製作の映画)
3.0
【星条旗よ永遠なれ】
有名なこのフレーズが、鑑賞中何度も頭によぎった。これ程に星条旗の存在が重いものだとは、理解したつもりで理解していなかった事に気づいた。

もう一つの気づきは、アメリカはどこまでもビジネスライクであるという事。
帰還した三人に上層部が「弾を買う金が無いから、虚像だろうがお前たちが英雄になって国債キャンペーンをするんだ!」と、ぶっちゃけた理由を告げて協力させる辺りがとてもアメリカらしい。
三人への報酬は英雄としてチヤホヤされる事と、豪華絢爛な国債キャンペーンツアー。まあ、その報酬のせいでドクとアイラは精神を病むのだけれど。
しかし『天皇陛下万歳!』だけで、平和主義のパン屋に銃を握らせた(硫黄島〜の二宮)日本の思想教育とは掛け離れている。その違いが心に残った。

また本作は三人のその後の話が主なので、ストーリーは駆け足でありドキュメンタリーに近い雰囲気である。
硫黄島からの手紙と同時に観たがリンクするシーンは僅かな上、同じ俳優が出たりしないので姉妹作品と気負わず観ても良いと思う。
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