haizi

父親たちの星条旗のhaiziのレビュー・感想・評価

父親たちの星条旗(2006年製作の映画)
3.2
英雄と祀り上げられた人の行く末。。。

「英雄は人間が必要にかられて作る」
この言葉は刺さったなぁ。。。
「英雄」って「勝者☆」とか「一等賞☆」とかと違って、凄く曖昧。
確かに「英雄」ってなりたくてなるものではなくて、望む望まないに関わらず周りから祀り上げられるものなのかも。
それも、本作のように、ちょっとした取り違えで「大義を成したのは自分じゃねぇ!!」っていう事が周囲も己も分かっているのにで祀り上げられるのは辛いなぁ。。。( ;∀;)

粘りに粘った日本兵との戦いに多くの仲間が命を落とした戦いから帰還すると、金集めの為の広告塔として利用される状況。
偉い人達はその兵士達の抱える理不尽さとか罪悪感には目もくれない。
何故なら、彼らを利用して金集めをするのが自分の役割、ひいては自国の為だから。

これは戦争の物語だから、全員が自国の為に邁進している筈。
だけど、立場が違えば与えられる役割も成すべき利益も違うんだよなぁ。
だから、同じ国民なのに兵士の心の痛みとかを思いやれなくなっちゃうのか。
国ってなんなんだろ。。。

本作は米国からすると勝ち戦の物語。
それでも沢山の命が散って、生き残った人たちも苦しむ。
戦争の理不尽さとか無益さとかを訴えているイーストウッドの反戦映画の秀作。

なんだか、今、戦争テーマの作品は重く感じるなぁ。。。
話し合って、お互いを理解し合って、うまい所に落としどころを設けられないものかしら。
お願いだから。。。。。。( ;∀;)
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